"hate this place"
"hate this place"
from the album "GRUNGE SOUL"
"グランジ・ソウル"のサブタイトル曲。アルバムの10曲目。キーワードは、"幸せ"と"美談"。
ぼくは"美談"が嫌いだ。身のまわりのさまざまな出来事について、いちいち意味を見出し、それを美談として語る人がいる。そんな話を聞かされたとき、ぼくはうさん臭いと思う。そしてこの人はきっと不幸なのだろうと思う。
子供の頃から競争しながら(させられながら)育ってきたぼくらは、他者との比較の上でしか成立しない価値観の中で生きている。本来、自分の人生における選択や人生そのものについては、誰かとの比較において意味を見出すべきものではないはずだが、それができないほどに、ぼくらは洗脳されてしまっているのかもしれない。
あたり前のことだが、本当に幸せな人は、自分が幸せかどうかについて考えないし、自分が幸せであることを、わざわざ誰かに伝えようとしたりしない。自分のまわりの出来事に、いちいち意味を見出したりもしないし、それを美談に仕立て上げたりもしない。
もうおわかりかと思うが、歌詞に出てくる"居心地の悪い場所"とは、facebookなどに代表されるSNSのことだ。ぼくはそれらについて、"hate"という言葉を叩きつけた。
"hate"="嫌い"。ニュアンスとしては、日本語の"嫌い"よりも、さらに攻撃的で軽蔑の態度が含まれる。
"グランジ・ソウル"というアルバムでメッセージしたかったことは、1曲目の"death feeling in the sky"と、この"hate this place"にほぼ網羅している。
SNSの例を出すまでもなく、偏執的で狭い人間関係に気持ち悪さを感じていたぼくは、それを徹底的に攻撃することを考えた。自分の歌で誰かを救おうだとか、元気づけようだとか勇気づけようだとか、そんなことをぼくはみじんも思わない。ぼくの歌を聞いて不快に思う人がいるのだとしたら、それでいい。予定調和的な感動に依存する、中身のない歌を歌って称賛されるより、ぼくは嫌われるほうがよっぽどましだ。
そんなことを思いながら、ぼくは"グランジ・ソウル"を作った。
■結城義広 “GRUNGE SOUL”■
“グランジ・ソウル”収録曲
“death feeling in the sky” MV
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