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時代に即した、送り手と受け手のマッチング

人間が新しいと感じるものは、今までになかったものか、今までにあったもの同士の、今までになかった組み合わせかの、どちらかということになる。それは、突如出現した新型のウィルスが、そうであるのと同じように。同じようにというより、実はそれ以上でもそれ以下でもない。おそらく、ぼくら人間は、頭で考えて新しい新しくないを判断しているわけではない。体が、つまり細胞がそう感じているだけなのだ。

ライブイベントのあり方を変えなくてはいけないと、ここ数年思っていた。かつてのようには、小規模なライブハウスの客席が埋まらなくなっている。それは首都圏に限ったことではなさそうだ。長引く景気の低迷、娯楽の多様化、テクノロジーの進歩による音楽を取り巻く環境の変化。原因はいろいろありそうだが、ひとつだけ言えることは、状況は変化しているということだ。旧態依然としたライブイベントのやり方は、完全に時代遅れになってしまったと言っていいだろう。しかし、それでも音楽はなくならない。そして、音楽を聞きたい、音楽と接したいと思う人たちは、相変わらず存在している。おそらく、その数が減ってしまったわけではないと思う。要はマッチングの問題なのだ。時代に即した、送り手と受け手のマッチング。そう考えてみると、いろいろなアイデアが浮かぶ。ひょっとすると、そのうちのいくつかは、具体的に有効な手段となりうるのかもしれない。しかし、ある程度リサーチはするにしても、こればかりはやってみないことにはなんとも言えない。試行錯誤。スクラップ・アンド・ビルド。

10月26日。渋谷のrootsで、タローちゃんこと山下太郎とビートメイカーの呉十郎と、新しいイベントを試みる。それを皮切りに、ぼくはいろいろな人を巻き込んで、新しいライブイベントのあり方を模索してみようと思っている。なんとなく、見えそうで見えない。手が届きそうで、届かない。そんな感覚なのだけれど。絶対にブレてはいけないポイントはひとつだけ。それはそこに集まる人たちが、楽しかったと思えるものであること。送り手は、とかく自分本位になりがちだけれど、そういうことでは、なかなか人がついてこない時代に入ってしまったのではないかと思っている。

◼︎結城義広 - グランジ・ソウル - ◼︎

“グランジ・ソウル”収録曲
“death feeling in the sky” MV

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