Yoshihiro Yuki Official Blog

等身大の飾らない言葉で日常のありふれた出来事を歌っています

昨日の出来事

T君はオレたちを追ってきた。オレたち3人は、ビルの1階にある駐車場に逃げ込んだ。駐車場には、オレがバイトで使っている、旧型のダイハツが停めてある。T君は身長が2メートルちかくある。

T君とオレは、幼稚園のときに同じクラスだった。T君は知能の発達が遅れていた。そして、すこし乱暴だった。やがて小学校に上がると、それぞれ別の学校に進んだが、中学校でまた一緒になった。もちろん、クラスは別々だった。T君は、ものすごい勢いでオレたちを追ってくる。オレはホケットから車のキーを取り出し、急いでドアを開けた。助手席側のドアロックをはずすと、助手席には須藤が乗り込んだ。石川が、後部座席のドアロックを早く解除してくれと、ドアの取っ手をガタガタさせ、パニック状態になっている。T君は、ダイハツで逃げようとしているオレたちに気付いたようだ。後部座席のドアロックをはずすと石川が乗り込み、オレたちは全員ドアを閉め、ロックをかけた。オレはキーを差し込み、イグニッションを回した。エンジンは一発でかかった。車の目の前にいるT君のすぐ横をすり抜けようと思い、オレはギアをパーキングからドライブに入れ、アクセルを踏み込んだ。しかし、50センチほど動いて、ダイハツはエンストしてしまった。まだエンジンが暖まっていなかったのだ。後部座席の石川が、オレに怒号を浴びせる。T君が運転席側のドアにへばりついてきた。オレは気持ちを落ち着けて、もう一度エンジンをかける。何回か空ぶかしをして、一気に車を発進させた。今度はエンストしなかった。ボンネットの上に這いあがったT君は、フロントガラスに顔を押し付けて、なにか叫んでいる。オレはかまわず思い切りアクセルを踏み、さらに加速した。表通りに出るとき、揺さぶられた格好のT君は車から転げ落ち、横を走る路線バスのボディに激突した。地面にたたきつけられたT君は、動かなくなった。これはあきらかに人身事故であり、免許の点数はいったい何点減点され、罰金はいくらくらい払わなくてはならないのだろうと、オレは一瞬思う。しかし、T君は立ち上がり、再びオレたちを追ってきた。オレはアクセルを全開にした。T君はもう追いつけない。真夏の強い日差しが、地面に照りつけている。オレたちは、車の中でゲラゲラ笑い合った。

※この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。




~イベントのお知らせ~

 

***拝啓、未来から...***

2016年8月6日(土)

@ホテル日航奈良~飛天の間~

open / start 13:30 / 14:00

 

第一部 朗読芝居「拝啓、未来から・・・」

第二部 結城義広ライブ

 

会食費 8000円(フルコース&フリードリンク)

 

ご予約

http://yoshihiro-yuki.com/schedule/ticket/input/32050

 

特設サイト

http://www.nana-project.jp/

 

■■■■ホテル日航奈良■■■■

奈良県奈良市三条本町8-1

TEL 0742-35-8831

http://www.nikkonara.jp/




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