暗渠探索日記(1)
ぼくが廃墟マニアで、廃路線マニアで、暗渠マニアであることは、以前、みんなにも話したとおりなんだけど、今日もぼくは、例によって自宅の近くにある暗渠を自転車で走っていた。
こんばんは
結城義広です
「小柳川」
かつてここにあった川の名前。もともとは石神井川の支流。公園がある。
かっぱがいたのか、、、
帰ろうと思い、ぼくは暗渠の西側の路地に入り、国道方面へと向かった。
路地は工事中で、アスファルトの舗装がはがされ、茶色い土がむき出しになっている。ところどころに段差があり、ぼくは転ばないよう注意深く自転車をこいだ。すると少し先にトンネルが見えてきた。トンネル??こんなところに、トンネルなんてあっただろうか??
平坦なこの地域に、トンネルを掘るにふさわしい丘陵や台地は存在しない。しかし、ぼくの目の前には高い崖があり、その下にはまだ工事中のトンネルがある。
そうか、きっと新しくバイパスをつくっているのだろう。ぼくはそう思い、でこぼこする道をトンネルに向かってゆっくりと進んだ。
トンネル内は進むにつれ、路面の状態がわるくな った。出口はもうすぐだと思うが、これ以上進むことが困難になる。やむをえない、引き返そう。ぼくは方向転換をして、もと来た方向へと引き返した。
しかし、ぼくは入口にたどり着けない。一本道だし、戻れないはずはないのだか、あきらかに道を間違えているときの、あの嫌な感覚が脳裏をよぎる。ぼくは何度か、引き返しては進むことを試みる。
するとトンネルの内壁に、脇道のような、人がぎりぎり通れるくらいの大きさの穴があることに気付く。まさか違うだろうと思いつつも、ぼくはその穴に入ってみた。それは出口に繋がっていて、入ってきた入り口ではなかったが、ぼくは外に出ることができた。
そこはだだっ広い墓地だった。
ぼくはもう一度引き返そうと思ったが、すぐそばに建物があったので、誰かいるのか確かめてみようと思った。建物にドアはなく、窓がいくつかある。三つ目の窓をトントンとノックしたとき、平坦な表情の、年寄りでもなく若くもない男が窓を開けた。
「ここどこですか??」
ぼくはぶっきらぼうに、そう訊いた。どうせまともな回答など、返ってこないことは承知している、とでもいわんばかりに。
「ここは、画家の○○○○先生が描いた絵画の中です」
ふむ。なるほど。上等だ。まあ、そんなところだろう。
ぼくは礼を述べて、その場を去った。だとしたら、オレはこの空を飛べるはずだ。自分が思うとおりに。それくらいできても、いいはずだ。
ぼくはそう思い、自分が空を飛ぶことをイメージしてみた。体がふわっと浮いた。ほら、思ったとおりだ。さて、これからなにをしでかしてやろうかな。ぼくは多少わくわくしながら、空中を漂った。
でも正直にいうと、そんなにすいすいと空を飛べたというわけではない。ふらふらと上下左右に揺れながら、ときに木やその辺の障害物にぶつかりながら、ぼくはあてもなく空を飛んでいた。
~リリースのお知らせ~
2017.03.29
『destiny』『また明日会えるよね』同時リリース!!
iTunes store、amazon、レコチョクにて
楽曲試聴できます http://www.yoshihiro-yuki.com/music/
〜公演のお知らせ〜
***2017.3.24(FRI)***
拝啓、未来から...
ギャラクシーホール(東京・羽田)
open / start 17:30 / 18:00
チケット 10,800円(include food & drink)
第一部 拝啓、未来から...
第二部 結城義広ライブ
■東京国際空港 ギャラクシーホール■
東京都大田区羽田空港3-3-2
第1旅客ターミナル6Fマーケットプレイス
call 03-5757-8181
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