曲を思いついた瞬間から、絶望がはじまる
アルバムをリリースしたあと、いろいろな方々に「おめでとうございます。」と言われた。ぼくは素直に「ありがとうございます。」と、謝意を表した。しかし、アルバムを出すこと自体は、めでたいことでもなんでもない。
アルバム"GRUNGE SOUL"を制作していたのは、ちょうど一年前のことだ。今思い返してみると、その頃のぼくは、かなりナーバスに生活していたと思う。誰からも疎遠となり、アルバム以外のことは、正直どうでもいいと思っていた。かなりイライラしていたし、周囲の人にも辛く当たっていたかもしれない。ぼくは多分孤立していた。
だけどぼくは、そのことを苦しいとは思っていなかった。ぼくはやりたいことをやっていただけだった。
ドラマティックなクソみたいな美談を好む人たちは、これはぼくが身を削るような想いをしながら作った、いわば苦労の結晶だと発言することを待っていたのかもしれない。しかし、当の本人はそんなことはみじんも思っていない。
曲を思いついた瞬間から、絶望がはじまる。作曲家にとって、それは宿命だ。そのことをネガティブにしか捉えられない人は、音楽をやらないほうがいい。
曲を書き、アレンジしてレコーディングする。それを原盤にしてリリースする。そして、それをセールスするためにプロモーションする。言ってみれば、それば絶望の連続だ。
それが苦しいのだったら、この世界には向いていないし、その苦しさをセールスのネタにするような音楽に、ぼくは興味がない。
"GRUNGE SOUL"収録曲
"death feeling in the sky" MV
ユウキヨシヒロ/グランジ・ソウル OUT NOW !!
全国のCDショップ、およびウェブショップにて
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