アイデンティティ・クライシス
昔、日本のあるロックバンドが、イギリスのフェスに出演し、観衆の熱狂を集めて大成功を収めたというニュースを聞いたことがある。最近になって、ぼくはそのときの模様をYouTubeで見ることが出来た。
ニュースというのはある部分では真実を、そしてある部分では真実とは違うことを伝える。
ぼくの目には、そのバンドがイギリスの観衆を熱狂させているようには見えなかった。彼らは見たことのない、東洋人の演奏するちょっと変わった音楽に興味を示している。ぼくにはそんなふうに見えた。もちろん、それが悪いことだと言っているわけではない。それが事実ではないかと、ぼくは頭の中の認識を修正しただけだ。
アメリカのあるfmラジオ局から、曲をかけたいのでオンエアの許可と音楽ファイルの提供を求められた。とくに悪い話ではないと思ったので、ぼくは2曲分のファイルをメールで送った。
はたして、極東の国に住むぼくの音楽を、アメリカの人たちはどう聞くのだろうか。日本語で歌っているわけだし、まさかビルボードのチャートにいるような音楽と同じ聞き方はされないだろう。ぼくはそう思った。
若手のある女性シンガーは、まさにそこを目指し、英語歌唱もさることながら、サウンドプロダクションからなにからなにまで、ビルボードチャートを意識した音楽で、アメリカの業界に挑むという。
日本にいる日本人のぼくにとって、彼女の音楽は斬新だし、よく出来ていると思うが、それを本場のアメリカへ持ち込んだところで、どうなるのだろうと考えてしまう。
超絶なテクニックでギターの速弾きをする子供はたしかにすごいとは思うが、仮にそれが子供でないとしたら、それは音楽として魅力的なのだろうか、という疑問と似ている。
今やヒップホップは全世界に広まり、ラップは英語だけではなく、各地の言葉でそれぞれの土地に特有の気持ちを表現する音楽スタイルとなった。アジアや中近東の言葉でラップする若い世代たち。おそらく彼らはヒップホップの生い立ちを知らないし、そのルーツとなったレジェンドたちのことも知らないのではないだろうか。
でも、それでいいのだろう。もしかするとぼくは考えすぎなのかもしれない。彼らには彼らのやり方が、そしてぼくらにはぼくらのやり方がある。それだけのことなのだ。
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楽曲提供用サンプル動画
君が代をピアノで弾いてみた
RELEASE
Yoshihiro Yuki - NEW WAVE -
“生きることにそもそも意味なんてない”
ネオソウルをベースにR&B、ヒップホップ、さらにはEDM、エレクトロニックミュージックをも取り込んだ結城義広の新作EPは、不透明感を増す現実世界をポジティブな視点で歌い上げた珠玉のアンソロジー。
収録曲
1. riverside blues
2. yunagi
3. high energy
4. invisible sky
5. wave
6. realize
DL / サブスクリプション
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CDパッケージ / ディスクユニオン
“New Wave” リードトラック
“High Energy” MV↓↓
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