ジェット機のように飛行するエレベーターの話
オレはある男から逃げていた。
オレのオフィスに現れたその男は、オレの方にゆっくりと近づいてきた。オレはその男のことを知っていた。昔からの知り合いだ。オレは咄嗟に机を移動させ、その男の進路を塞いだ。男が机をどかすのに手間取う隙に、オレはオフィスを抜け出し、階段を駆け下りた。
他のビルとの連絡が可能な地下一階まで降りたオレは、隣の高層ビルの最上階まで行ける高速エレベーターに乗り込んだ。エレベーターには、オレの他に数人が乗っていた。
外の景色が見えるガラス張りのエレベーターは、ものすごいスピードで上昇し始めた。強風のせいで、エレベーターはガタガタと揺れた。乗っていた女性の一人が、怖いと言ってオレの腕にしがみついた。
それにしても揺れすぎだ。早く着かないものかとオレは思った。
しかしエレベーターは最上階には向かっておらず、空中に敷設されたレールのようなものを伝って、横方向に移動していた。まるでジェット機のようなスピードで。
数分後、エレベーターは停止し、オレたちは見知らぬ街に下された。路面電車の停留所。表示を見ると、そこはどうやら横浜のようだった。新宿から横浜まで、数分で移動したというのか？
オレたちは線路づたいに歩きはじめた。この路面電車に乗れば、横浜駅かその近くまで行けるのだろうか。オレはそう考えた。であれば、なんとか東京に戻れるだろう。しかし、路面電車はやってこなかった。
停留所を三つほと歩いたオレたちは、古いバラックのような木造の建物が立ち並ぶ、小さな部落にたどり着いた。まるで写真などで見たことのある、終戦後間もない日本の風景のようだとオレは思った。
オレたちは、そのうちの一つの建物に入った。入ると土間の両サイドに床があり、その上には二段式のベッドが設置されていた。ベッドには擦り切れた畳が敷かれていて、ところどころ腐食しているようだった。まるでついさっきまで、この上に死体が転がっていましたとでも言うように。
この事情について把握しているという男が、今夜我々はここに泊まる、夜はここから一歩も出てはいけないと、現在の状況についての説明を始めた。
この小汚い畳の上で寝ろってか？冗談だろとオレは思ったが、それが身のためだ、この部屋から外に出れば、身の危険にさらされることになるとその男は言った。
まあ、いいさ。態度を決めかねたオレは、別の男を誘って外に出た。気が向いたら、またここに戻って来ればいい。
街をふらついたオレたちは一軒の居酒屋を見つけ、そこで一杯やることにした。
さて、クイズです。ぼくはどこでこれは夢だと気付いたでしょう(//∇//)
①男から逃げて階段を降りるとき
②エレベーターが横移動を始めたとき
③路面電車の停留所を見つけたとき
④土間の横の二段式ベッドを見たとき
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2. yunagi
3. high energy
4. invisible sky
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